大相撲ゲーム
昭和52年(1977)/タカラ
気分は国技館
本機の発売は昭和52年(1977)。
当時18歳の筆者は当然のことながら本機の存在を知るはずもなく、今から20年以上前にネットオークションで面白半分に落札した。
ところが開箱して組み立てていくうちに最初の冷笑はやがて驚愕に変わっていった。
以下当時の記述を引用しよう。
「いわゆる指で土俵をトントン叩いて力士を動かす“トントン紙相撲”のデラックス版であるが、それにしてもあまりにリアルだ。
土俵、やぐらはもちろん、力水用の桶に柄杓(ひしゃく)、さらには今回は撮影していないが、力士人形用の化粧回しやのぼりまであって、気分はまさに国技館」
勝負師の眼差し
4体ある力士ソフビ人形はどちらかというと細マッチョ2人とガッシリ体型の2人に分けられるが、いずれも男らしく、それでいてどことなく艶っぽい、いかにも昭和の名力士然とした面構えが魅力的。
そんな中でも横綱格はこの黒いまわしのこの力士。
見よ、この一瞬の勝負に賭ける真剣な眼差しを!
そう、土俵には金と名誉が埋まっているのだ、命懸けで獲りに行け!
いよっ千両役者
勝ち名乗りを受ける力士は会心の勝利に微かな笑みを浮かべる精悍なイイ男。
モデルとなったのは後に俳優・タレントとして大活躍したあの元関取か、それとも辛口解説で人気のあの元横綱か。
■令和5年(2023)11月28日 追記:
この大相撲ゲーム、実は現在、筆者の本業を大いにサポートしてくれている。
筆者は東京都内の片隅で小さな小さな専門店を細々営んでいる。
コロナ禍も一段落した今年5月から、多くの外国人観光客が再び日本を訪れるようになった。
彼らが喜ぶよう小さな商品を製造販売している筆者の店にもポツリポツリと外国人観光客がやってくる。
完成した商品を引き渡し、代金決済を終えた彼らに、
「もし、とある簡単なゲームに勝ったら粗品を差し上げますが、挑戦なさいますか?」
そう尋ねてみると、勝てば粗品がもらえることもあり、好奇心旺盛な彼らは、若干怪訝そうな顔を見せつつもOKする。
そこで間髪を入れず、店の奥から本機を恭しく捧げ持ちつつ店のカウンターに乗せ、
「レッツ・プレイ・ザ・スモウゲーム!」
するとほとんどの客が破顔一笑。
遊び方の見本を見せた後「ハッケヨイ、ノコッタ!」でがっぷり四つから勝負スタート。
何が難しいって、うまく負けることほど難しいことはない。
もっとも、仮に筆者が勝ってしまった場合でも「はい参加賞!」と結局は粗品を差し上げる。
こうして本機は現在、小さな小さな国際交流に絶賛貢献中~♪