テーブルダービー

昭和53年(1978)/エポック社

テーブルダービー 全景

極めつけの珍品

発売年不明の珍品。
他のゲーム同様入手したのは20年以上前だが、子どものころ遊んだ記憶どころか、見たことも聞いたこともない。
28cm×10cmと小さいが、当時のゲームとしては極めて画期的な電池を使用して馬人形を動かす構造になっている。

戦後初の三冠馬・シンザンが活躍した昭和39年(1964)ごろ作られたものか?
しかしその実態は恐らく外国のライセンスによる国内生産ではないかと考えられる。



テーブルダービー モーター
テーブルダービー 糸巻

モーターで何を?

「単2電池を2本使用する。上の写真中央の銀色レバーを左にずらすと、右にあるモーターが猛烈な唸りを上げる。
そのモーターが何を回すのかというと写真下に見える本機の裏面。右にあるモーターが回すのは写真中央の棒のようなもの。

その形状は何とも説明しにくいが、ラーメンについてくる 「ナルト」 が輪切りにされる前の状態とでもいえばおわかり願えるであろうか。
要は山型の突起がいくつもついた棒である。

これが高速回転して6個ある銀球を弾く。弾かれた銀球たちは地下で四方八方に飛び散り、馬人形の突起に衝突してはこれを押し進めるという仕組みだ。

当時としてはよく考えたといいたいところだが、モーターの回転音が凄まじく、その割に馬の動きが小刻みなので、続けて遊ぶにはツラいものがある」

以上は20年以上前の記事の引用だが、今読み返してもよく理解できない(苦笑)。



テーブルダービー 糸巻状
テーブルダービー シュート

リアルを先取り

以下も20年前の記事から引用。

「ちゃんと馬券もついていて確かに楽しめるが、本品を子ども向け、あるいは家庭用ゲームとして売り出したのだとすれば、少々疑問が残る。
当時、競馬が今ほど健全な大衆娯楽としての地位を確立していたとは考えにくく、失礼ながらもしこのゲームがヒットしなかったとすれば、それが要因のひとつではあるまいか」

この後、新潟競馬場では実際に本機のような直線1000mのレースが誕生し、同競馬場の名物レースとして開催のたびに大いに盛り上がる。その点ではまさに、はるか昔にリアルを先取りしていたと言えよう。

そして今や競馬をモチーフにしたオンラインゲームが大人気、その会社を運営する実質的オーナーが今度は本物の競馬の馬主として競馬界に参戦。

時代は移ろう。
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