バスケットボール
昭和39年(1964)/エポック社
ブリキ製
昭和39年(1964)エポック社から発売されたブリキ製バスケットボールゲーム。
外箱のデザインはほぼ同時期に同社から発売されたサッカーやホッケーと似ている。
盤面向かって右手にある3本のレバーのうちいずれかを手前に引いて離すことで、穴の中のバネが跳ね上がり、ボールを弾き飛ばす仕組み。
シンプルと言えばシンプル極まりない。
躍動的な選手イラスト
コートに描かれた選手たちは皆長身で足が長く、それぞれが躍動的なポーズでボールの行方を追っているように見える。
ひと目で欧米人とわかるリアルなイラストは同時期の同社サッカーゲームにおけるブリキ製選手人形のタッチとよく似ている。
恐らくは同じイラストレーターが描いたものと思われる。
バネ強すぎ
しかしこのゲームには致命的な欠点がある。
バネが強すぎてボールがいとも簡単に場外へ飛び出てしまうのだ。
そのたびにゲームは中断され、あたりを転がるボールを探し回る羽目になる。
この問題を解消するのにコート全体をドームで覆った「ニューバスケットゲーム」をエポック社が発売する昭和53年(1978)まで、13年もの歳月を待たねばならない。
熱心なファンには申しわけないが、少なくともこの当時バスケットボールは野球やサッカーのほどの国民的人気は獲得していなかった。
ゲームとしての面白さ・完成度といった要素もあろうが、そもそも、子供たちのニーズもそれほど高くはなかったように思われる。