ホームボーリング

昭和46年(1971)/任天堂

ホームボーリング(任天堂) 全景

ライセンス契約品

本機は米国玩具会社・ミルトンブラッドリーからの輸入品として1960年代後半にはすでに任天堂から発売されていたが、わが国におけるボウリングブーム勃興とともに、昭和46年(1971)にはミルトンブラッドリー社からライセンスを供与される形で国内生産に転換、外箱パッケージのデザインも新たに再発売されたもの。
レーンと投球人形の色違いが確認されているだけで3バージョン展開されている。

いずれにせよ、本機が日本国内におけるボウリングゲームの先駆けであったことは疑いの余地がない。



ホームボーリング(任天堂) 正面からの眺め

バランス良好

レーン全長が90cmと長く、それと比較して選手人形が小さいので、全体のバランスはリアルなボウリング場を彷彿とさせる。

初期型らしくピンセッターもシンプルな「開閉式」でボールのオートリターン機能もついていない。それでいてこの迫力と臨場感はさすが本場製。



ホームボーリング 哀しき選手人形

右肩に時限爆弾を抱える選手人形

ごく初期の機種だけあって本機の投球システムは少々原始的だ。

人形の右肩に針金がまかれていて、右腕を振りかぶることにより引っ張られた針金が戻る力を利用して振り下ろされた右腕がボールを叩き出すというもの。

当然ことながら針金には投球のたびにかなりの負担がかかり、やがて経年劣化による金属疲労やサビにより、引っ張られても元に戻りにくくなったり、最悪の場合は針金が折れて一巻の終わりとなる。

下の動画をご覧いただいておわかりの通り、筆者はこのゲームを3台所有しているが、満足に投球できるのは本稿に掲載している投球人形のみ。 残り2人のうち1人はバネが弱くなって投球速度が極端に遅く、さらに、もう1人は針金がブチ切れていて右腕ブラブラ状態。

しかしそれだけ昭和の子供たちに愛され、酷使された証とも言えよう。今はせめて静かに余生を送らせてやろう。

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