ファミリーボーリングストライク

発売年不明/野村トーイ

ファミリーボーリングストライク 全景

ブリキ製レーン

発売年は不明ながら、

■同じ野村トーイが昭和46年(1971)に発売した、言わば普及版の「ファミリーボーリング」(赤いプラスチック製)の外箱にある「STマーク」(同年玩具業界が策定した玩具安全基準検査に合格した玩具に付与されるマーク)が本機の外箱には付されていない点。

■レーンやピンセッターがブリキ製である点。

以上のことから、本機の発売はそれ以前であろうと推測される。

レーン全長80cm、レーン幅20cm。
レーン表面には木目とスパット(三角形の目印)が印刷されている。

当時はまだ国内でそれほどボウリングが盛んではなかったにもかかわらず、ここまでリアルに再現されているということは、ひょっとすると本機は外国メーカーのライセンス生産品であったか、あるいは逆に、主としてアメリカへの輸出向けに製造されたものか。

残念ながらそれを知る手掛かりは現在では残されていない。



ファミリーボーリングストライク 選手人形

甘いマスク

微笑を浮かべつつ華麗な投球フォームを決める選手人形、歌舞伎役者にでもしたくなるような、なかなかの二枚目だ。

例によって顔が真ん中で2つに割れていて、そのせいで左右が若干上下にずれているものの、それがかえって表情に絶妙な味わいをもたらしている。

さらには身体全体のバランスも素晴らしく、何より脚部がパックリと割れていない点が高く評価できる。

以上のことから、彼は、任天堂ホームボーリングの激痛に顔を歪める苦み走ったいい男、そしてエポック社の復刻版パーフェクトボウリングPROの爽やかなナイスガイと並んで、ボウリングゲーム選手人形史上最高のスリートップと称されても何ら不思議はない。

いつか機会があれば、この3人に一堂に会していただき、大いにボウリング談議に花を咲かせてもらいたいものだ。



ファミリーボーリングストライク レーン後方からのショット

気分は憧れのアメリカ

リアルでカラフルなレーンとその奥に鎮座ましますセミオートマチックのピンセッター、そして原色のスポーツウェアに身を包んだ選手人形。
これはもはや日本ではなく、憧れの1960年代アメリカそのものではないか。

下の動画撮影のために実際に何度か投球してみたが、ストライクを出した瞬間、思わず年甲斐もなく軽くガッツポーズをしてしまった。
同じ野村トーイ製の普及版ファミリーボーリングにおける滑り台とは違い、選手人形が球を投げる(弾く)投球装置の臨場感は格別だ。

本機は単なる懐かしの昭和レトロアナログゲームではなく、半世紀以上の時を超え、今でも大人が十分楽しめる名機だと断言できる。

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