サッカーゲーム
昭和53年(1978)/エポック社
ブリキからプラへ
本機の発売は昭和53年(1978)、ということは平成5年(1993)のJリーグ発足までなお15年の時を待たねばならない。
昭和44年(1969)メキシコオリンピックで銅メダルを獲得して以来、わが国でもサッカー人気はそれなりの盛り上がりを見せたが、 それでもこの時点では、まだプロ野球の牙城を脅かすまでには至っていない。
そんな時期に発売された本機は、工業技術の発展に伴い、盤面も選手も往時のブリキからプラスチックに様変わりしたが、心なしか逆にチープな印象を覚える。
味気ない選手たち
特に問題なのがこのプラスチック選手人形たちの風貌、これではまるでヘルメットを被ったアイスホッケーの選手ではないか。
サッカーゲームは1人1人の選手をプレイヤーがレバーを通じて直接操作するだけに、選手人形は彼らが感情移入しやすいような外見であることが必須と考える。
その点を鑑みるに、この人間味のかけらもうかがい知れない、無機質極まりない外見はいかがなものか。
などど、当時オンタイムで本機と遊んだこともないのにやたら難癖をつけているのは、その昔ブリキ選手たちと熱い時を過ごした老監督のノスタルジズムがそうさせているのだろう。
それでも熱くなれる
しかしその一方で、このプラスチック製のピッチ及び選手人形には、従来のブリキ製に比べて大きな利点がある。
それは「操作音」。
ブリキ製は選手が素早く前後に移動するとき、あの金属特有の「キィキィ」という不快な音が発生するが、プラスチック製にはそれがないので、プレイヤーはストレスなく試合に集中できる。
…なんのこたあない、結局のところ絶賛てるんじゃあねえか。