オールスター野球盤B型①

昭和41年(1966)(推定)/エポック社

オールスター野球盤B型① 全景

最初期のAS野球盤

53㎝四方、両翼65㎝、センターバックスリーンから本塁までは56㎝と、大型の部類に入る野球盤。

この「オールスター野球盤B型」は盤面プリントの異なるバージョンが本機を含めて3種類存在するが、本機は後述する理由から、そのうち最も早い時期に発売されたものと推定できる。

まず第一に、本機の外箱はナチュラル色のなボール紙に青と朱による2色印刷が施されており、それはエポック社の初期野球盤の外箱に共通している。

それに対して本機以外の同型の外箱はボール紙の色がナチュラルから白地に変わり、印刷も多色が使われている。



オールスター野球盤B型① 入団1年目、背番号21の堀内恒夫投手

堀内投手の背番号が決め手

セ軍のマウンド預かるのは巨人軍のエース・堀内恒夫投手だが、その背番号にご注文いただきたい。

堀内投手といえばその背番号「18」があまりに有名だが、本機に描かれているそれは「21」と読める。

実はここが大きなポイントだ。

堀内投手は昭和40年(1965)の記念すべき第1回ドラフト会議で1位指名を受けて読売ジャイアンツに入団。
翌昭和41年(1966)4月14日の対中日戦がプロ初登板となるのだが、入団1年目は背番号21をつけていた。

そう、彼の代名詞であるエースナンバー18をつけるのはこの翌年、昭和42年(1967)からなのだ。

そしてデビュー1年目の昭和41年(1966)には早くもオールスターに選ばれ、第2、3戦に登板している。

以上のことから、本機の発売は昭和41年(1966)の秋以降、恐らくはクリスマス商戦に華々しく投入されたであろうと考えられる。



オールスター野球盤B型① 本塁後ろからセンターを望む

捕手不在

セ・リーグのオールスターが守備についている盤面は実に華やかだが、本機ではなぜか捕手だけが描かれていない。

この年のオールスターに選出されたセリーグの捕手は森正彦(巨人)・辻佳紀(阪神) ・田中尊(広島)の3選手。

彼らからクレームが寄せられたか否かは定かではないものの、この翌年に発売された「オールスター野球盤②」では、捕手もしっかり書き込まれている。

ともあれ、往年の名選手がグラウンド狭しと走り回る夢の野球場は、当時の子供たちの垂涎の的であったろうことは間違いのないところだ。

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