
野球盤AM型
昭和49年(1974)/エポック社

野球盤の代名詞
エポック社の野球盤黄金期をけん引した代名詞と言える記念碑的大ヒット機種。
本機が発売された昭和49年(1974)、筆者はすでに中学2~3年生で、残念ながらすでに野球盤からは卒業している。
ちなみにこの頃からエポック社はサイズと付加機能により、同じシリーズでA型、B型、C型というように、3タイプを展開するようになる。
親の経済状況や住まいの広さに応じたバリエーションを提供することで、幅広い層の多くの子どもたちに楽しんでもらおうというメーカー側の、商魂のみならず思いやりに溢れた戦略であったろうと評価できる。
それでもやっと(いちばん小さく安い)C型を買い与えられた子供にとって、A型を自慢する同級生は十分に嫉妬と羨望の対象足り得たはずだ。
挫けるな少年!この悔しさをバネにするんだ。

ワンタッチヒッティング
本機に搭載された新機能のひとつがワンタッチヒッティング。
まずバットを写真左の緑の突起を越えたところまで引き絞る。
打つときは横にある円筒形ボタンを押すと突起が下がり、それまで抑えられていたバットがボールめがけて勢いよく回転するという仕組み。
また上の写真では左バッターボックスにもバットを指す穴がある。
そう、本機にはスイッチヒッター機能も搭載されているのだ、芸が細かい。
そしてホームベース上の四角い切込みはご存知・消える魔球用の穴。
守備側プレイヤーの操作によりこの穴がパカッと開いてボールが中に吸い込まれるという仕組み。

ダイヤルカウンター
一塁側ベンチ上には新たにダイヤルカウンターが設置され、ボール・ストライク・アウトカウントがひと目でわかるようになった。
このダイヤルカウンターを操作しながら、テレビ・ラジオよろしく実況した子供もいたはずだ。
当時から口数の多かった筆者なら、プレイヤーより間違いなくアナウンサーを買って出たことだろう。