ポリー野球盤

発売年不明/ポリー

ポリー野球盤 全景

正体不明、謎の野球盤

今を去ること20年以上前、当時勃興しつつあったネットオークションで手に入れたはいいが、いったいいつ・どこの誰(メーカー名はポリー)が作ったのかはまったくもって不明。

それから幾年月を経た今日でも、本機に関する情報はネット上でも一切出てこない。

しかし盤面の写真を注視すると、バットスイングは盤面上で行う指押さえ式でもワンタッチヒッティング式でもなく、バックネット(ないけど)裏から操作するレバー式となっている。

恐らくはレバーを引くことで盤面上にあるバットがぐるっと引き絞られ、それを離すことで勢いよくスイングする、という仕掛けであろう。

筆者が知る限りエポック社がこのレバー式ヒッティングを採用するのは昭和45年(1970)発売のデラックス野球盤が最初であるからして、本機もそれに近い年代に発売されたのかも知れぬ。

しかし、それにしては見た目がいささか古いように見受けられるのだが…謎は深まるばかりだ。サイズ56cm×56cm、合板製。



ポリー野球盤 マグネット式

マグネット式

内野に4つあるゴロアウト、外野3つとファールグラウンド2つのフライアウト、さらにはその奥のヒットとホームラン、それらいずれもがエポック社式のポケット式と異なり、マグネット吸着式となっている。

つまり打球は勢いよくポケット式に飛び込むのではなく、途中からはマグネットに吸い寄せられるようにヨロヨロと転がるというわけか。

そこで盤面奥を見ると、ホームランになり得るのは写真上奥の得点版の真下にある青色1か所だけ。
しかもその手前にはセンターフライのマグネットが、あたかもホームラン性の打球を阻止するかのように囲い込んでいる。

この厳しいホームランシフトを突破するには、ただまっすぐに打ち返すだけではなく、打球をセンターフライマグネットの手前で大きく左右に湾曲させる必要がある。

まさに針の穴を通すような正確な打球コントロールが求められよう。

そう考えると、本機はごく初期にして、最もホームランが生まれにくい野球場であると断言できよう。



ポリー野球盤 崩落寸前

崩落寸前の守備選手

かつて激しい打球を幾度となく体を張ってキャッチしたであろう激闘の痕跡が生々しい守備選手と彼を護る城壁。

残念ながら彼は本機において残存する唯一の守備選手だが、マグネット城壁が崩落寸前でその命も風前の灯火か。

■2021.12.09追記:
写真と動画撮影のために本機を20年ぶりにトランクルームから救出?してみると、すでに城壁から脱落していた他の選手も無事発見できたので、瞬間接着剤ですべて持ち場に復帰させておいた。
なんだか人助けした気分~♪

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