テーブルリーグゲーム
発売年不明/発売元不明
最初期の野球盤?
発売年・発売元ともに不明、謎だらけの野球盤。
サイズは35cm×35cmと小ぶり、筐体は厚紙、盤面裏には添え木。
所有する野球盤の中では別項にある「ポリー野球盤」が最も古いかと思っていたが、どうやら本機の方がさらに時を遡ることになりそうだ。
試合開始が「開戰」
付属の説明書は次のように記されている。
「この『ゲーム』は野球の縮小版であります。実際に球を投げ、バツト(原文ママ)で打つ、実践そのまゝ(原文ママ)の競技が出来、室内でリーグ戦が熱狂の裡に行われ、家族の人気の中心となります」
家族の人気の中心という言い回しからすると、本機が発売されたのは一般家庭にテレビが普及する以前であろうと容易に想像できる。
また、この後さらに読み進めと、競技方法が詳しく書かれているが、今日なら恐らく「試合開始」と表現されるべき箇所がなんと「開戰」となっている。もちろん「戦」の旧字だ。
以上を勘案すると、本機の発売は昭和20年代後半あたりと推測できる。しかしさすがに戦前ということはあるまい(未確認)。
野球盤の原風景
金属製のツメを自分の指で弾く形式の投球装置。極めてシンプルながらも、ツメを弾く強度により多少は投球速度に変化をつけられる。もちろん投球コースまではコントロールできず、直球一本勝負。
そうして投げ出された球を、その辺に転がっている木を荒っぽく削り出したかのようなゴツゴツしたバットでひっぱたく-。
まだテレビのない当時、夕食後、食器を片付けたちゃぶ台に乗せた本機を囲み、親子でゲームに興じる至福のひと時。
野球盤の、というよりむしろ、今となっては懐かしくも麗しい、一家団欒の原風景(という名の幻風景)が目に浮かぶ。