ウルトラボウリング

昭和46年(1971)/中嶋製作所

ウルトラボウリング 全景

ゲームというより

これはもうオモチャでしょうよ。

全長80cmと、ボウリングゲームとしては中型の部類に属するが、上の写真をご覧いただいておわかりの通り、著しくレーンが短く感じられる。

というのも、ピンや選手人形がレーンのサイズに比べてかなり大きめにできているのだ。これだけレーンが短いと選手人形の手を離れたボールは容易にヘッドピンを正確に捉えることができ、ストライク連発で高スコアも夢ではないが、その反面、ボウリング場にいるかのようなリアリティはほとんど得られない。

つまり、同じボウリングゲームとは言え、本機は小学校高学年以上向きというよりも、低学年かそれ以下の子供用のオモチャといった方がよさそうだ。



ウルトラボウリング 滑り台式投球装置

滑り台式投球装置

本機の投球装置は野村トーイの「ファミリーボーリング」シリーズなどでおなじみの『滑り台式』。

滑り台上部にあって、ボールをちょこんと押さえているフタを指で跳ね上げると、ボールは勢いよく滑り台を転がり落ち、ピンに向かって短いレーンをひた走るという仕組みだ。

しかしそれではさすがに味気ないと感じたか、発売元の中嶋製作所(現ナカジマコーポレーション)は滑り台の横に、直接は投球に一切関与しないお飾りの投球人形を添えるという手に出た。

しかもそれは当時の同社主力製品であったソフビ人形。
道理でレーンやピンセッティングのおざなりな作りとは一線を画する素晴らしい出来映えだ、といっては失礼か。



ウルトラボウリング ソフビ選手人形

ソフビ選手人形

プロボウラーにしてはあまりにも若い、というか子供っぽい選手人形。その風貌はいかにもアメリカの、それもいいとこのお坊ちゃんを思わせる。

「ボクの番だからちょっと待って」と隣のレーンをけん制する左手と、若干内股気味の投球フォームが、いかにも育ちの良さを感じさせて微笑ましい。

ちなみにこの投球人形、中嶋製作所がOEM供給したと思われるマルハタ「ビーゴロボウリング」の投球人形とはキャラクターがいささか異なっているように見える。

本機の投球人形の方が瞳が大きくクリッとして可愛く見えるのは気のせいか。

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