ジャンボボーリング
昭和46年(1971)/マルハタ
1686㍉、日本で2番目に長いボウリングゲーム
ジャンボの名に恥じない、レーン全長168センチという、日本国内で発売された中では、恐らく2番目の長さを誇る超大型ボウリングゲーム。
本機も他の多くのボウリングゲーム同様、ボウリングブームが日本列島を吹き荒れた昭和46年(1971)に発売された。
発売元はマルハタという、個人的には聞き慣れない社名だが、同じ昭和印46年に、中嶋製作所からOEM供給を受けたと思しき「ビーゴロボウリング」を発売している。
その一事をもってしても当時の同社に、これだけ大型のボウリングゲームを自社開発する技術力があったとはとても思えない。
外箱のパッケージデザインから受ける、いかにもアメリカンなイメージも併せて推測するに、本機はマルハタが当時日本中を熱狂の渦に巻き込んだボウリングブームで一山当てるべく、アメリカの玩具会社から急遽OEM供給を受けた商品ではなかろうか。
堅牢で使いやすいピンセッター
本機で特筆すべきはやはりピンセッターであろう。
レーン上方でピンをセットし、セッターを押し下げてレーン上でダイヤルを回し、ピンをリリースするシステム。
操作はシンプルで使いやすく、スウィーパーの動作も本物のボウリング場ソックリだ。
加えて構造的にスウィーパーの破損・故障の可能性も極めて少なかろうと思われる。
これまで幾多ののボウリングゲームのピンセッターを見てきたが、本機のおけるそれも傑作のひとつに数えられよう。
しかもこの大きさだから迫力満点、本機を買い与えられたガキ…もとい、お坊ちゃま・お嬢ちゃま方は、さぞかし楽しく遊んだことだろうよ、クソ。
おざなりな投球人形
その一方、味もそっけもない平板な投球人形には少々興醒めだ。
なぜか野村トーイ「ファミリーボーリングジャイアント」に瓜二つの投球人形は、真っ平ではあるが一応は人間の姿をしている点では、いわゆる「滑り台式」投球装置によりはまだ幾分かマシだと言えないこともない。
しかし、せっかく本物のボウリング場ソックリのピンセッターを搭載しているのだから、リアリティの追求という観点では、もう少し人間っぽく見える立体的な投球人形を設計してもよかったのではないか。
いずれにせよ本機は価格の点でも(発売価格は不明だが)サイズの点でも、当時の一般家庭にすれば高嶺の花であったろうことは間違いない。
実際、あまりに場所を取るので、下の動画撮影にも大いに苦労させられた。