アトム野球盤F型

昭和40年(1965)/エポック社

アトム野球盤F型 全景

キャラクターものの先駆け

前回の東京オリンピックを成功裏に終えた翌年、まさにこの国が高度経済成長真っただ中にあった昭和40年(1965)に発売された本品は、キャラクターものの先駆けともいえるであろう記念碑的製品。

個人的にはこの当時鉄人28号に夢中になっていたので鉄腕アトムの記憶はほとんどないが、野球盤になるほどだから国民的人気を誇っていたのは間違いない。



アトムが投げる

アトムが投げる

ピッチャーズマウンドには眼光鋭く投球する鉄腕アトムが描かれている。
さぞかし矢のような剛、もとい「光」速球を投げ込んだことだろう。



両博士も熱烈応援

お茶の水博士も熱烈応援

3塁側コーチスボックスでは生みの親であるお茶の水博士が、本来は立場上、相手チームの投手であるはずの鉄腕アトムに熱い声援を送っている。

その上方、外野のファウルゾーンではあのヒゲオヤジが乱入、扇子片手に応援しているのか、それともただ踊っているのか。

■2021.12.13追記:
20年ぶりの写真差し替えに伴い、1塁側ファウルグラウンドの写真も追加した。

ウランちゃんは応援しているというよりは単に踊っているだけのように見える。
その上にいる瘦身の男性はロボットに否定的な立場をとる田鷲警部。
その上は恐らくアトムのパパ(という設定のロボット)かと思われるが、今ひとつ判然としない。

いずれにせよ、本機は野球盤としてはこれといって特徴がないものの、アトムとその他のキャラクターたちが彩る盤面の楽しさにこそ価値があると言って過言ではないだろう。

これはあくまで推測の域を出ないが、本機の成功がその後の「オバQ野球盤F型」「ミスタージャイアンツ野球盤F型」といったキャラクター野球盤F型シリーズの流れを創出し、購入層の多様化及び低年齢化を推進=野球盤販売の拡大に多大な貢献を果たしたと言えるだろう。

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