オールスター野球盤B型③
昭和45年(1970)/エポック社
盤面プリント野球盤後期の傑作
一連の盤面プリント「オールスター野球盤B型」(魔球装置なし)の中では最後期となる本機はまず間違いなく昭和45年(1970)の発売であると断定できよう。
その主な根拠は次の通り。
詳細は下記の動画でご確認願いたい。
■堀内投手の背番号「18」(1967年~)
■柴田勲外野手の背番号「7」(1970年~)
■武上四郎二塁手(1970年選出)
■谷沢健一外野手(1970年初選出)
■高田繁外野手(1970年選出)
とまあ、これだけ状況証拠が揃えば十分だろう。
最高レベルの選手イラスト
本機で特筆すべきは選手イラストの完成度。
昭和41年版(①)のイラストも決して悪くないが、たとえば堀内投手を比較しても、その独特の顔貌のリアリティは本機のそれに軍配が上がろう。
王、長嶋の2大スター選手のたたずまいも、昭和41年版(①)から4年の歳月が流れ、実物のご両人にもより風格が備わったせいか、イラストにおいてさえ強烈なオーラを発しているかのようだ。
捕手も揃ってオールスター
盤面イラストにおける昭和41年版(①)との最大の違いは本塁付近の情景。
同機ではセリーグの捕手はおらず、かわりにパリーグの打者が書き込まれていた。
それに対して本機では、阪神の若きスラッガー・田渕幸一選手が今まさに一塁に矢のような牽制球を投げようとしている。
考えてみれば打者はプレイヤーが務めるのだからイラストは不要であり、本機における修正措置は至極まっとうだと言えよう。
捕手を加えてナインが勢揃いしたことで、これでようやく「オールスター」と謳うにふさわしい盤面イラストになったと言えよう。
もっとも、本機から遡ること7年前、昭和38年(1963)に同じくエポック社から発売された「野球盤E-1型」においては、すでに捕手が大きく描かれていた。
ちなみに同機にはプレイヤーが操るバットの右上、投球が本塁を通過する直前の位置に、打者まで描かれてる。
しかしこれだとプレイヤーのバットがまるで打者イラストの顔面を痛打しているようにも感じられ、さすがに少々鬱陶しい。
やはり打者は描かれなくて正解だろう。