パーフェクトボウリングPRO DX

平成8年(1996)/エポック社

パーフェクトボウリングPRO DX 全景

リベンジ買い

本機は昭和46年(1971)に発売された大ヒット機種「パーフェクトボウリング」が四半世紀の時を経て復刻発売されたもの。
筐体や投球人形ウェアの色調こそ異なれど、それ以外は原型を忠実に再現している。

しかしながら本機が発売された当時、第2次ボウリングブームが到来したという事実は確認されていない。

となると、本機はまさに筆者のような(苦笑)、子供のころに買ってもらえず悔しい思いをした大人(正確にはオジサン)による、いわゆる「リベンジ買い」を目論んでいたのであろうか?
もちろんこれも未確認、というより今となっては確認するすべもないが、その可能性も多少は考えられよう。

なお、オリジナル版パーフェクトボウリングの商品パッケージに起用されていた往年の人気女子プロボウラー・中山律子の姿は、残念ながらここにはない。
ブームは過ぎ去って久しいとはいえ「リベンジ買い」層を狙い撃つなら、思い切って彼女を再度起用するという手もあったのではないか。



パーフェクトボウリングPRO DX ピンセッティング

木目調レーンが美しい

本機の隠れた特徴はレーンの美しさ。
印刷技術の進歩により、板目ごとに微妙に色が違う本物のボウリング場のような木目が見事に再現されている。

こういった細部のリアリティへのこだわりこそエポック社の真骨頂と言えるだろう。

しかしボウリングブームが過ぎ去って久しく、またすでにコンピューターゲームの本格的到来を迎えていた1990年代のわが国において、時代錯誤と言っては失礼だが、この手のアナログゲームの、上述の「リベンジ買い」を含めた国内需要がどれほどあったのかと考えると、本機も「パーフェクトボウリングPRO」同様、やはり海外需要をターゲットにしていたであろうことが容易に想像できる。



パーフェクトボウリングPRO DX 投球動作

選手人形は相変わらず

本機と同時に復刻発売された小型版「パーフェクトボウリングPRO」においては、 投球人形が24年前に発売された原機「パーフェクトボウリングジュニアーS型」の前傾型から上体を起こし堂々と胸を張るキャラクターに一新されていた。

ところがその上位機種たる本機では、投球人形は基本的に手を加えられておらず、ウェアの色調こそ明るくなっているものの、24年前の前傾型人形がそのまま採用されている。

個人的には「パーフェクトボウリングPRO」の投球人形こそ、数あるボウリングゲーム中の最高峰にして完成形と勝手に位置付けているだけに、本機における旧型投球人形の継続雇用には今ひとつ合点がいかない。

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