トッポ・ジージョ野球盤C型

昭和44年(1969)推定/エポック社

トッポ・ジージョ野球盤C型 全景

エポック社の十八番(おはこ)戦略

イタリア生まれの陽気なねずみのキャラクター、トッポ・ジージョは日本国内でも昭和41年(1966)から人形劇としてテレビ放映され、当時の子供たちを中心に絶大な人気を誇った。

その人気に目を付けたエポック社が早速起用したのが本機。

「巨人の星(C型)」
「ディスニー(C型)」
「鉄腕アトム(F型)」
「オバQ(F型)」

以上と並ぶ同社キャラクター野球盤シリーズの一環と言えるだろう。

野球そのものにさしたる興味を示さない、あるいは、より低年齢の子供たちにもどうにかして拡販せんとするエポック社の飽きなき商魂が垣間見える。

トッポ・ジージョ野球盤C型 盤面のクレジット記載
トッポ・ジージョ野球盤C型 外箱のクレジット記載

なお本機の盤面と外箱には、原作者マリア・ペレーゴと並んで当時日本でのライセンス窓口を担当していた小学館の名がクレジットされている。



トッポ・ジージョ野球盤C型 投手イラスト
トッポ・ジージョ野球盤C型 打者イラスト

なぜC型か

本機のサイズ及び構造自体は上述の「巨人の星野球盤C型」「ディズニー野球盤C型」とまったく同じ。
盤面デザイン以外の相違点を強いて挙げれば、上記2機種のビニール製?外枠が青色であるのに対し、本機のそれは茶色であることくらいか。

愛らしいトッポ・ジージョが投げて打って守ってとグラウンド狭しと大活躍する姿は、彼を愛するファンにとってはさぞかし垂涎の的であったろう。

しかし、トッポ・ジージョのファンに的を絞った(より低年齢向きの?)野球盤であるなら、同じくキャラクターがメインの「鉄腕アトム」「オバQ」同様、エポック社野球盤ラインナップ中、最も小さいサイズの「F型」でもよかったのではないか?

なぜ「C型」で勝負をかけたのか?
そのとき筆者の脳裏に突如として明確な理由が浮かんだ、もちろんお得意の妄想だが。

最小サイズの「F型」ではなく、それより二回りは大きな「C型」で発売したのは、トッポ・ジージョと同じネズミの、あの世界的に有名なキャラクターを採用した野球盤が、やはり「C型」であるからではなかろうか?

「”あっちの”ネズミの野球盤と同じサイズじゃなきゃイヤだ!」と原作者か国内ライセンス窓口企業が駄々をこねたかどうかは一切不明だが、決してあり得ない話だとも限らない。

いずれにせよ本件に関してはあくまでも「昭和レトロなアナログゲーム記録係」を自認する筆者の個人的(願望を含めた)妄想であり、わが身の保全のためにも(笑)、これ以上踏み込むことは控えよう。

そのかわりといってはなんだが、盤面(グラウンド)を見て少々気になったことを指摘しておく。

トッポ・ジージョ野球盤C型 投手イラスト

他のキャラクター野球盤は主役以外にも味のある脇役が複数いて、それらが盤面に色を添え、華やかなものにしている。

翻って本機はほぼトッポ・ジージョの独り舞台であり、彼以外のサブキャラクターはそれぞれ一塁側・三塁側コーチスボックスにちょこんと立っているだけでほとんど目立たない。

これだけトッポ・ジージョ一色に塗りつぶされたかのような盤面を見ていると、-彼のファンには誠に申しわけないが-多少なりともキモ…、もとい食傷気味になるのは筆者だけであろうか。

ともあれ本機がどれだけ野球盤購買層のすそ野を広げたのか、半世紀以上が経過した今となっては定かではない。
しかし、世のトッポ・ジージョファンにとっては貴重なお宝となり得るキャラクター商品であることは間違いなかろう。



トッポ・ジージョ野球盤C型 バックスクリーン裏のレバー

個人的には幻の逸品

筆者が野球盤をはじめとする昭和レトロなアナログゲームの収集に乗り出したのは、わが国でインターネットオークションサービスが始まってからほどない、今から四半世紀以上前の平成12年(2000)。

当時(恐らく)ネットで見た資料に

「巨人の星をはじめ、鉄腕アトム、ディズニー、オバQ、トッポ・ジージョなどのキャラクター野球盤も発売された」

と書かれていたのを今でも鮮明に記憶している。

そのうち本機だけは長い間ネットホークションに出品されることもなく、筆者にとってはまさに「幻の野球盤」であった。

2026年2月、ネットオークションに出品された本機の外箱写真をついに初めて目にして、恥ずかしながらいい歳ぶっこいて胸の高鳴りを押さえることができなかった。

手ごわい競合者がいて価格は予想より高騰してしまったものの、めでたく無事落札。
鉄は熱いうちに打てとばかり、到着を待たずしてこの拙い説明文を書き殴り、落手後数日の間に写真と動画を撮影。

これで少なくとも自分の守備範囲(0歳~小学校6年)となる、昭和46年(1971)までに発売されたエポック社の野球盤は、恐らくコンプリートできたものと思われる。

もっとも、販売数が圧倒的に少なかった他社製の野球ゲームに関しては、まだまだ珍盤奇盤出現の可能性はありそうだ。

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